酔古堂剣掃 / 集素・花落つること頻りなりと雖も心自ら閒なり
水流任意景常靜,花落雖頻心自閒。
新字:水流任意景常静,花落雖頻心自閒。
書き下し
水流れて意に任すも景常に靜かに、花落つること頻りなりと雖も心自ら閒なり。
現代語訳
水が思うままに流れていても、景色はいつも静かです。花がしきりに散っていても、心はおのずとのどかです。
解説
動くものの中に静けさを見る心を、七言二句で描いた対句です。水はとどまることなく流れ続けますが、その流れがあるからこそ、景色全体はかえって静けさを帯びます。花がしきりに散るのは本来、春の終わりを惜しむ愁いの種ですが、心が落ち着いていれば、それも穏やかに眺められます。菜根譚にも、水流れて境に声無しという、流れの中の静けさを言う言葉があります。周りが絶えず動き、変わり続けていても、心まで一緒に揺れ動く必要はありません。慌ただしい職場や変化の激しい時代にあって、流れを受け入れながら心の静けさを保つ。その姿勢の手がかりになる一則です。
この章句が説くこと
静寂閑適自然心境無常
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