酔古堂剣掃 / 集綺・佳人硯を捧ぐ
新調初裁,歌兒持板待拍;鬮題方啟,佳人捧硯濡毫。絕世風流,當場豪舉。
新字:新調初裁,歌児持板待拍;鬮題方啓,佳人捧硯濡毫。絶世風流,当場豪舉。
書き下し
新調初めて裁てば、歌兒板を持して拍を待ち、 鬮題方に啟けば、佳人硯を捧げて毫を濡らす。 絕世の風流、當場の豪舉。
現代語訳
新しい曲の詞を作りあげたばかりのところで、歌い手は拍子木を手に拍子を待ち、くじで引いた詩の題を開いたところで、美しい女性が硯を捧げ持って筆を濡らしてくれます。この世に比べるもののない風流であり、その場での豪快なふるまいです。
解説
文人の宴で詩や詞を作る、華やかな場面を描いた一則です。新調は新しい曲調の詞、裁つは詞を作ることです。作りあげるとすぐに歌い手が拍子木を持って歌う用意をしている、という手際の良さが描かれます。鬮題は、くじで引いた詩の題のことで、題が明かされるやいなや、傍らの女性が硯を捧げて筆を濡らしてくれます。文才をその場で示す緊張感と、それを支える周囲の華やぎが一体となった光景です。結びの二句は、この後の則にも独立して出てくる言葉で、宴の場で才気を発揮することを讃えています。準備の整った場で力を出し切ることの爽快さは、今日の仕事の発表の場などにも通じるものがあるでしょう。
この章句が説くこと
詩文宴才気風流豪放
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『酔古堂剣掃』集綺・當場の豪舉絕世の風流、 當場の豪舉。
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