酔古堂剣掃 / 集綺・新壘の桃花
新壘桃花紅粉薄,隔樓芳草雪衣涼。
新字:新塁桃花紅粉薄,隔楼芳草雪衣涼。
書き下し
新壘の桃花は紅粉薄く、 樓を隔つる芳草に雪衣涼し。
現代語訳
新しく築いた垣のそばの桃の花は、紅おしろいを薄くはいたように淡く、楼閣を隔てた香り高い草むらには、白い衣が涼しげに見えます。
解説
春の景色を、女性の化粧と装いに見立てて描いた一則です。前の句は、新しく築かれた垣のそばに咲く桃の花が、紅と白粉を薄く施した顔のように淡い色をしている様子です。後の句は、楼閣の向こうの草むらに、白い衣が涼しげに映える様子です。雪衣は雪のように白い衣のことで、唐の玄宗の宮中で飼われた白い鸚鵡が雪衣娘と呼ばれた話もあることから、白い鳥の姿と読むこともできます。いずれにしても、桃の紅と雪の白、花と草という色の対比が鮮やかです。自然の景色を人の美しさに重ねて味わうのは集綺らしい趣向で、春の庭の華やぎが目に浮かぶような句です。
この章句が説くこと
春景桃花見立て風雅色彩
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