酔古堂剣掃 / 集綺・蓮並蒂に開く
蓮開並蒂,影憐池上鴛鴦;縷結同心,日麗屏間孔雀。
書き下し
蓮並蒂に開きて、影は池上の鴛鴦を憐れむ。 縷同心に結びて、日は屏間の孔雀に麗し。
現代語訳
蓮が一本の茎に二つ並んで花を開き、その影は池の上の鴛鴦(おしどり)をいとおしむようです。糸が同心結びに結ばれ、日の光は屏風に描かれた孔雀に美しく照り映えています。
解説
夫婦や恋人の結びつきを、めでたい事物を重ねて描いた一則です。並蒂の蓮は一本の茎に二輪並んで咲く蓮で、仲睦まじい夫婦の象徴とされます。鴛鴦もつがいで離れない鳥として知られます。同心結びは、二つの輪を重ねて結ぶ飾り結びで、心を一つにする誓いを表します。屏間の孔雀は、唐の竇皇后の父が屏風に孔雀を描かせ、その目を射当てた者に娘を嫁がせると言い、後の唐の高祖李淵が見事に射当てたという故事を思わせます。二句とも、良縁と夫婦和合を祝う図柄を並べたもので、婚礼を寿ぐ言葉のような華やかさがあります。人と人が結ばれることの喜びを素直に讃えた句です。
この章句が説くこと
夫婦良縁和合情吉祥
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