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酔古堂剣掃 / 集綺・妝樓正に書樓に對す

妝樓正對書樓,隔池有影;繡戶相通綺戶,望眼多情。

新字:妝楼正対書楼,隔池有影;繍戸相通綺戸,望眼多情。

書き下し

妝樓正に書樓に對し、池を隔てて影有り。 繡戶綺戶に相通じ、望眼情多し。

現代語訳

化粧をする女性の楼閣は、ちょうど書斎の楼閣と向かい合っていて、池を隔てて互いの影が映っています。刺繍を施した戸口と、あや絹で飾った窓とが通じ合っていて、見つめる眼差しには思いがあふれています。

解説

向かい合う二つの楼閣を通して、ひそやかな恋心を描いた一則です。妝樓は女性が化粧をする部屋のある楼閣、書樓は男性が書を読む楼閣です。二つの建物は池を隔てて向かい合い、水面に互いの影が映っています。直接には会わなくとも、影が重なることで二人の心の近さが暗示されます。後の句の繡戶と綺戶は、どちらも美しく飾られた戸口や窓で、それが通じ合っているという言い方に、行き来する思いが込められています。望眼多情は、遠くを見つめる眼差しに情がこもっていることです。言葉を交わさずとも、眼差しだけで伝わる思いがあります。控えめで奥ゆかしい情景として味わいたい句です。
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この章句が説くこと

恋慕情楼閣風雅眼差し

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