酔古堂剣掃 / 集峭・低簷に舞ひて並び入る
霄光分曉,出虛竇以雙飛;微陰合瞑,舞低簷而並入。
新字:霄光分暁,出虚竇以双飛;微陰合瞑,舞低簷而並入。
書き下し
霄光曉を分てば、虛竇を出でて以て雙び飛び、微陰瞑に合へば、低簷に舞ひて並び入る。
現代語訳
空の光が夜明けを告げると、巣の穴から出てつがいで飛び立ち、かすかな陰りが夕闇に溶けこむと、低い軒先に舞って二羽並んで帰ってきます。
解説
つがいの燕の一日を、朝と夕べで描いた対句です。霄光は空の光、曉を分つは夜明けの光が夜を分けることです。虛竇は巣の出入り口の穴、瞑は日暮れの暗さ、簷は軒のことです。朝は一緒に出かけ、夕べには一緒に帰ってくるつがいの燕は、古くから仲むつまじい夫婦の象徴とされてきました。前の則が巣づくりを描いたのに続き、ここでは完成した巣で暮らす二羽の姿を描いているとみられます。毎日同じように出かけて同じように帰ってくる、その当たり前の繰り返しの中にこそ、穏やかな幸せがあります。平凡な日常の尊さに気づかせてくれる句です。
この章句が説くこと
夫婦自然日常燕情
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