酔古堂剣掃 / 集奇・螮蝀を天畔に攢む
翻飛倒影,擢菡萏於湖中;舒艷騰輝,攢螮蝀於天畔。
新字:翻飛倒影,擢菡萏於湖中;舒艶騰輝,攢螮蝀於天畔。
書き下し
翻り飛び影を倒にして、菡萏を湖中に擢き、 艷を舒べ輝を騰げて、螮蝀を天畔に攢む。
現代語訳
ひるがえり飛んで逆さに影を映し、湖の中から蓮のつぼみを抜き出したようです。艶やかさを広げ輝きを高く上げて、天の果てに虹を集めたようです。
解説
光と色がひるがえり、湖と空を彩る華やかな情景を描いた一則です。菡萏は蓮のつぼみ、螮蝀は虹のことです。前の句は、湖面に映る影が逆さに揺れ、蓮のつぼみがすっと伸び出たように見える様子、後の句は、艶やかな輝きが空へ上がり、天の端に虹を集めたように見える様子です。何を描いたのかは原文に書かれていないため、湖に映る夕映えとも、祭りの灯火とも読めますが、ここでは言葉どおりに訳しました。奇抜な比喩で景色を描くのは集奇の特色です。眼前の光景を、ほかの美しいものに見立てて楽しむ遊び心は、今日の私たちが写真や言葉で景色を残すときにも生かせます。
この章句が説くこと
風景光彩見立て風雅奇想
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