酔古堂剣掃 / 集奇・後生を獎惜す
議論先輩,畢竟沒學問之人;獎惜後生,定然關世道之寄。
新字:議論先輩,畢竟没学問之人;獎惜後生,定然関世道之寄。
書き下し
先輩を議論するは、畢竟學問沒き人なり。 後生を獎惜するは、定然世道の寄に關はる。
現代語訳
先輩をあれこれと批評するのは、結局のところ学問のない人です。後輩を励まし大切にする人は、きっと世の中の行く末を託されるにふさわしい人です。
解説
先輩への態度と後輩への態度を対にして、人物の器を見分ける一則です。前の句は、先に道を歩んだ人の欠点をあげつらうのは、学問が身についていない証拠だと言います。本当に学んだ人ほど、先人の苦労と積み重ねの重さを知っているからです。後の句は、後から来る若い人を励まし惜しむ人こそ、世の中の道筋を託される人だと述べます。獎惜は、ほめて励まし、才能を惜しんで大切にすることです。上を批判し下を軽んじるのは易しく、上を敬い下を育てるのは難しいものです。職場で先輩の仕事を評するときも、後輩に声をかけるときも、自分の器が試されていると思って臨みたいものです。
この章句が説くこと
後進育成謙虚学問処世
関連する章句
-
『幽夢影』巻上・紙上に兵を談ず文人の武事を講ずるは、大都紙上に兵を談ずるなり。武將の文章を論ずるは、半ば道聽途説に屬す。
-
『囲炉夜話』第二百一則・渾金璞玉の如し才有らば必ず韜藏す、渾金璞玉の如く、闇然として日に章かなり。 學を為すに間斷無し、流水行雲の如く、日に進みて已まざるなり。
-
『幽夢影』巻上・下の下なり人は聖賢に非ず、安んぞ能く知らざる所無からん。祇だ其の一を知り、惟だ其の一に止まらざるを恐れ、復た其の二を知らんことを求むる者は、上なり。止だ其の一を知り、人の言ふに因りて、始めて其の二有るを知る者は、次なり。止だ其の一を知り、人其の二有りと言ふも之を信ずる莫き者は、又其の次なり。止だ其の一を知り、人の其の二有りと言ふを惡む者は、斯れ下の下なり。
-
『囲炉夜話』第百十六則・世人の取るべき者の多きを見れば德日に進む能く往日行ふ所の非を知れば、則ち學日に進む。 世人の取るべき者の多きを見れば、則ち德日に進む。
-
『格言聯璧』學問類・古の學者は一善言を得て其の身に附く古の學者は、一善言を得れば、其の身に附く。 今の學者は、一善言を得れば、務めて以て人を悅ばしむ。 古の君子は、其の無能を病むや、之を學ぶ。今の君子は、其の無能を恥づるや、之を諱む。 眼界は闊きを要す、遍く名山大川を歷よ。
-
『囲炉夜話』第六十四則・無きが若く虛しきが若し周公の驕らず吝かならざるを觀れば、才有るも何ぞ自ら矜るべけんや。 顏子の無きが若く虛しきが若きを觀れば、學を為すに豈に自ら足れりとするを容れんや。