酔古堂剣掃 / 集奇・壯志をして銷磨せしめんや
鏡花水月,若使慧眼看透;筆彩劍光,肯教壯志銷磨。
新字:鏡花水月,若使慧眼看透;筆彩剣光,肯教壮志銷磨。
書き下し
鏡花水月、若し慧眼をして看透せしめば、筆彩劍光、肯へて壯志をして銷磨せしめんや。
現代語訳
鏡に映った花や水に映った月のようなはかないものを、もし智慧の眼で見通すことができるなら、筆の彩りや剣の光を持つ者が、どうして雄々しい志をすり減らさせたりするでしょう。
解説
世の空しさを見抜いたうえで、なお志を失わないと言う対句です。鏡花水月は、鏡の中の花、水に映る月のように、見えていても手に取れないはかないもののたとえです。慧眼は、仏教で物事の本質を見抜く智慧の目を言います。筆彩は文章の才、剣光は武勇の才で、文武の才能を象徴しています。銷磨は、すり減って消えてしまうことです。この世のはかなさを見抜けば、名利に心を奪われることもなくなり、かえって本当の志を守り通せるというのです。無常を知ることは投げやりになることではなく、大切なものを見きわめることです。何のために才能を磨くのかを見失わずにいたいものです。
この章句が説くこと
立志無常気概禅才気
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