酔古堂剣掃 / 集靈・氣節は千載一日
事業文章,隨身銷毀,而精神萬古如新;功名富貴,逐世轉移,而氣節千載一日。
新字:事業文章,随身銷毀,而精神万古如新;功名富貴,逐世転移,而気節千載一日。
書き下し
事業文章は、身に隨ひて銷毀し、而して精神は萬古に新たなるが如し。功名富貴は、世を逐ひて轉移し、而して氣節は千載一日なり。
現代語訳
成し遂げた事業や書いた文章は、その人の身とともに消えてしまいますが、その精神はいつまでも新しいままです。手柄や名声、富や地位は、世の移り変わりとともに移ろいますが、気骨と節操は千年たっても一日のように変わりません。
解説
菜根譚の前集にもほぼ同じ句がある、名高い一則です。銷毀は消えてなくなること、轉移は移り変わることです。氣節は気概と節操、つまり信念を曲げない心のことです。事業や文章といった目に見える成果も、功名や富貴といった世間的な成功も、時とともに消えたり移ろったりします。しかし、その人が貫いた精神や気骨は、千年たっても色あせず、人の心を打ち続けます。菜根譚ではこの後に、君子はかのものをこのものと取り替えてはならない、と続きます。成果や地位を追うことも大切ですが、それ以上に、どんな信念を持って生きたかが、後に残るものなのです。
この章句が説くこと
気節精神功名修身菜根譚
関連する章句
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菜根譚・前集事業文章は身に随いて銷毀す。而して精神は万古に新たなるが如し。功名富貴は世を逐いて転移す。而して気節は千載に一日なり。君子は信に当に彼を以て此に易(か)うべからざるなり。
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『酔古堂剣掃』集法・節行は之を失へば終身得べからず士人の貴ぶ所は、節行を大と為す。軒冕は之を失ふも、時有りて復た來る。節行は之を失へば、終身得べからず。
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『酔古堂剣掃』集豪・寂寞一時、淒涼萬古道德に棲守する者は、寂寞たること一時。 權變に依阿する者は、淒涼たること萬古。
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『酔古堂剣掃』集豪・意氣のみを以て勝るに匪ず大事を辦ずる者は、獨り意氣を以て勝るのみに匪ず、蓋し亦た其の智略絕するなり。故に氣を負ひて雄行すれば、力以て公侯を折くに足り、奇を出だし算を制すれば、事以て耳目を駭かすに足る。此の如き人は、俱に千古なり。嗟嗟、今世は徒らに虛語なるのみ。
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『酔古堂剣掃』集峭・事事實地より腳を著く業を立て功を建つるは、事事實地より腳を著くるを要す;若し少しく聲聞を慕へば、便ち偽果と成る。道を講じ德を修むるは、念念虛處より基を立つるを要す;若し稍や功效を計れば、便ち塵情に落つ。
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『酔古堂剣掃』集法・志は一日も墜すべからず志は一日も墜すべからず、心は一日も放つべからず。