酔古堂剣掃 / 集奇・千載の奇逢は好書良友
千載奇逢,無如好書良友;一生清福,只在茗碗爐煙。
新字:千載奇逢,無如好書良友;一生清福,只在茗碗炉煙。
書き下し
千載の奇逢は、好書良友に如くは無く、一生の清福は、只だ茗碗爐煙に在り。
現代語訳
千年に一度のような得がたい巡り合わせで、よい書物とよい友に出会うことに及ぶものはありません。一生の清らかな幸福は、ただ一碗の茶と香炉の煙の中にあるのです。
解説
人生の最上の出会いと、最上の幸福を述べた対句です。千載の奇逢は、千年に一度というほどまれな巡り合わせのことです。それは富や地位ではなく、よい書物とよい友に出会うことだというのです。清福は、清らかで静かな幸福のことで、世俗の栄華による幸福と対比されます。それはただ、茶を入れた碗と香炉からたなびく煙、つまり静かに茶を飲み香を焚くひとときにあるといいます。この書全体を貫く、読書と交友と閑適を尊ぶ価値観が凝縮された一句です。何か大きなことを成し遂げなくても、よい本とよい友と、一杯の温かいお茶があれば、人生は十分に満たされるのかもしれません。
この章句が説くこと
読書交友茶道清福知足
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