酔古堂剣掃 / 集奇・胸中數斗の塵を滌ひ去る
面上掃開十層甲,眉目才無可憎;胸中滌去數斗塵,語言方覺有味。
新字:面上掃開十層甲,眉目才無可憎;胸中滌去数斗塵,語言方覚有味。
書き下し
面上十層の甲を掃ひ開きて、眉目才かに憎む可き無く、胸中數斗の塵を滌ひ去りて、語言方に味有るを覺ゆ。
現代語訳
顔の上に重なった十枚の鎧のような厚い皮を払いのけて、ようやく眉や目が憎らしく見えなくなります。胸の中に積もった数斗の塵を洗い流して、ようやく言葉に味わいが感じられるようになるのです。
解説
外見と言葉の品格は、内面の掃除から生まれると言う対句です。十層甲は十重にも重なった鎧、ここでは顔に張りついた厚かましさや虚飾を指すのでしょう。それを払いのけてこそ、眉目、つまり顔つきが人に不快感を与えなくなるというのです。数斗の塵は胸にたまった俗念や欲のことで、それを洗い流してこそ、話す言葉に味わいが出てくると言います。宋の黄庭堅が、読書を三日怠ると面目は憎むべく、語言は味なしと言ったことを思わせる言い回しです。顔つきや話しぶりは、心の状態を正直に映し出します。見た目や話し方を整えたいなら、まず心の塵を払うことから始めたいものです。
この章句が説くこと
修身品格言葉虚飾読書
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