酔古堂剣掃 / 集奇・冷眼に憑りて覷破す
一段世情,全憑冷眼覷破;幾番幽趣,半從熱腸換來。
新字:一段世情,全憑冷眼覷破;幾番幽趣,半従熱腸換来。
書き下し
一段の世情は、全く冷眼に憑りて覷破し、幾番の幽趣は、半ば熱腸より換へ來たる。
現代語訳
世の中の人情のひとくだりは、すべて冷静な目によって見破るものであり、幾たびかの奥深い趣は、半ばは熱い心と引き換えに得てきたものです。
解説
冷静な目と熱い心、その両方が要ると言う対句です。世情は世の中の人情、覷破は見抜くこと、見破ることです。人の心の裏表や世の移り変わりは、冷眼、つまり冷静で醒めた目で見てこそ見抜けるというのです。一方、幽趣は奥深い趣、しみじみとした味わいで、それは熱腸、すなわち熱い情熱や真心と引き換えに得られるものだと言います。冷めた目だけでは味わいのない人生になり、熱い心だけでは世の中に欺かれてしまいます。冷静に見る目と、情熱をもって関わる心、その二つを使い分けられる人こそ、世を深く生きる人なのでしょう。
この章句が説くこと
処世冷静情熱世情達観
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