酔古堂剣掃 / 集韻・益語を聞けば金を贈らるるが如し
聞暖語如挾纊,聞冷語如飲冰,聞重語如負山,聞危語如壓卵,聞溫語如佩玉,聞益語如贈金。
新字:聞暖語如挟纊,聞冷語如飲冰,聞重語如負山,聞危語如圧卵,聞温語如佩玉,聞益語如贈金。
書き下し
暖語を聞けば纊を挾むが如く、冷語を聞けば冰を飲むが如く、重語を聞けば山を負ふが如く、危語を聞けば卵を壓するが如く、溫語を聞けば玉を佩ぶるが如く、益語を聞けば金を贈らるるが如し。
現代語訳
温かい言葉を聞けば真綿を身にまとったようであり、冷たい言葉を聞けば氷を飲んだようであり、重い言葉を聞けば山を背負ったようであり、危うい言葉を聞けば卵を押しつぶしそうなようであり、穏やかな言葉を聞けば玉を身に帯びたようであり、ためになる言葉を聞けば金を贈られたようです。
解説
言葉が人の心に与える感触を、六つの比喩で言い表した一則です。挟纊は真綿を身にまとうことで、『左伝』に、君主の温かい言葉に兵士たちが真綿を着たように暖まった、という話があります。冷語は氷を飲むように身を凍らせ、重語は山を背負うように心に重くのしかかり、危語は卵を押しつぶすような危うさを感じさせます。温語は玉を身に帯びるように穏やかに心を飾り、益語は金を贈られたように心を豊かにするというのです。言葉はそれほどに人の心を温めも凍えさせもします。自分が口にする言葉が相手にどう響くかを思い、真綿や玉や金のような言葉を選びたいものです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
言葉処世人情修身慈愛
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