酔古堂剣掃 / 集韻・紅葉を取りて燒く
落花慵掃,留襯蒼苔,村釀新芻,取燒紅葉。
新字:落花慵掃,留襯蒼苔,村醸新芻,取焼紅葉。
書き下し
落花掃ふに慵く、留めて蒼苔に襯へしむ。村釀新たに芻せば、紅葉を取りて燒く。
現代語訳
散った花は掃くのが面倒なので、そのままにして青い苔の上を彩らせておきます。村の酒を新しく漉したなら、紅葉を拾ってきて焚き、酒を温めます。
解説
掃除の手を抜くことさえ風雅にしてしまう対句です。慵は物憂く面倒なこと、襯は下地に添えて引き立たせることです。散った花を掃かずに残しておくと、青い苔の上に花びらが散り敷いて、かえって美しい景色になるというのです。芻は酒を漉すことで、新たに漉した村の地酒を、紅葉を焚いて温めます。これは唐の白居易の詩の「林間に酒を暖めて紅葉を焼く」を踏まえた言葉です。手間を省くことが、かえって自然の美しさを生かすことになる、という逆転の発想がおもしろいところです。何でも片づけ整えることだけが美しさではありません。あえて手を加えずにおく余裕も持ちたいものです。
この章句が説くこと
風雅自然酒閑適季節
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