酔古堂剣掃 / 集情・風堦に葉を拾ふ
風堦拾葉,山人茶竈勞薪;月逕聚花,素士吟壇綺席。
新字:風階拾葉,山人茶竈労薪;月逕聚花,素士吟壇綺席。
書き下し
風堦に葉を拾ふは、山人の茶竈の勞薪、月逕に花を聚むるは、素士の吟壇の綺席。
現代語訳
風の吹く石段で落ち葉を拾えば、山住まいの人が茶を沸かすかまどの薪になり、月明かりの小道で散った花を集めれば、飾らない文人が詩を吟じる席の、錦の敷物になります。
解説
山里の清らかな暮らしの楽しみを、落ち葉と落花で描いた対句です。風堦は風の吹きぬける石段、山人は山に住む隠者、茶竈は茶を煮るかまど、勞薪は燃料の薪です。素士は官位のない質素な文人、吟壇は詩を吟じる集まりの場、綺席は美しい敷物です。お金をかけずに、自然が落としていったものを拾い集めて茶の火にし、詩の席を飾るというところに、清貧の中の豊かさがあります。捨てられるものの中に楽しみを見いだす目は、今の暮らしにも通じます。身近な自然から季節を拾い上げる小さな工夫が、日々に彩りを与えてくれます。
この章句が説くこと
清貧閑適風雅自然茶
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