酔古堂剣掃 / 集韻・臂を把り膝を促す
或夕陽籬落,或明月簾櫳,或雨夜聯榻,或竹下傳觴,或青山當戶,或白雲可庭,於斯時也,把臂促膝,相知幾人,謔語雄談,快心千古。
新字:或夕陽籬落,或明月簾櫳,或雨夜聯榻,或竹下伝觴,或青山当戸,或白雲可庭,於斯時也,把臂促膝,相知幾人,謔語雄談,快心千古。
書き下し
或いは夕陽の籬落、或いは明月の簾櫳、或いは雨夜に榻を聯ね、或いは竹下に觴を傳へ、或いは青山戶に當たり、或いは白雲庭とす可し。斯の時に於いてや、臂を把り膝を促し、相知ること幾人ぞ、謔語雄談、心を千古に快くす。
現代語訳
ある時は夕日の射す垣根のもと、ある時は明月の照らす簾のかかった窓辺、ある時は雨の夜に寝台を並べ、ある時は竹の下で杯を回し、ある時は青い山が戸口に迫り、ある時は白い雲を庭とする。こうした時に、腕を取り膝を寄せ合って語り合える知己が何人いるでしょう。冗談を言い、壮大な話をして、千古の昔まで心を晴れやかにするのです。
解説
友と語り合う至福の場面を六つ並べた一則です。籬落は竹や柴の垣根、簾櫳は簾をかけた窓のことです。聯榻は寝台を並べて夜通し語り合うこと、伝觴は杯を回し合うことです。こうした場面で、把臂促膝、つまり腕を取り膝を寄せて語り合える相知が何人いるか、と問いかけます。謔語は冗談、雄談は気宇壮大な話で、そうした語らいは千古の昔まで思いを馳せるほど心を晴れやかにしてくれるというのです。美しい景色も、心の通う友と共に見てこそ喜びが深まります。気の置けない友と語り合う時間は、何ものにも代えがたい人生の宝として大切にしたいものです。
この章句が説くこと
交友知己風雅閑適酒
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