酔古堂剣掃 / 集韻・香は沖淡を雅と為す
茶取色臭俱佳,行家偏嫌味苦;香須沖淡為雅,幽人最忌煙濃。
新字:茶取色臭倶佳,行家偏嫌味苦;香須沖淡為雅,幽人最忌煙濃。
書き下し
茶は色臭俱に佳なるを取るも、行家は偏へに味の苦きを嫌ふ。香は須らく沖淡を雅と為すべく、幽人は最も煙の濃きを忌む。
現代語訳
茶は色と香りがともに良いものを選びますが、通人はとりわけ味の苦いものを嫌います。香はあっさりとして淡いものを雅とすべきで、世を避けて静かに暮らす人は、煙が濃いのを最も嫌います。
解説
茶と香の良し悪しを見きわめる勘どころを述べた対句です。臭はここでは匂い、香りのことです。行家は専門家、その道の通人を言います。茶は色や香りの良さで選ぶものですが、本当の通人は苦味の強いものを嫌うといいます。沖淡は、あっさりとして淡く、穏やかなさまです。香もまた淡くほのかなのが雅であり、隠者は煙がもうもうと立つような濃い香を最も嫌うというのです。茶にも香にも、強さより穏やかさ、濃さより淡さを求める美意識が表れています。人付き合いや言葉遣いでも、強く押しつけるより、ほのかに香るような控えめさのほうが、長く心地よく感じられるものです。
この章句が説くこと
茶道香沖淡風雅節度
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