酔古堂剣掃 / 集韻・雨窗には卻つて少く可からず
焚香啜茗,自是吳中習氣,雨窗卻不可少。
新字:焚香啜茗,自是呉中習気,雨窗却不可少。
書き下し
香を焚き茗を啜るは、自ら是れ吳中の習氣なるも、雨窗には卻つて少く可からず。
現代語訳
香を焚き茶をすするのは、もともと呉中(蘇州一帯)の風習ですが、雨の降る窓辺ではかえって欠かせないものです。
解説
香と茶の楽しみを、雨の日に結びつけた一句です。呉中は今の蘇州を中心とする江南の地で、明代には文人文化の中心地でした。焚香啜茗、すなわち香を焚き茶をすするのは、そうした呉中の文人たちのいかにもな習気、つまり身についた風習だと、筆者は少し皮肉めいて言います。気取った流行のように見えて素直には認めたくないが、雨の日の窓辺ではやはりそれがないと物足りない、という正直な告白がおもしろいところです。流行や習慣を斜めに見ていても、ふさわしい場面ではその良さを認めざるを得ないものです。雨の日に香を焚いて茶を淹れる時間を、試しに作ってみてはいかがでしょう。
この章句が説くこと
茶道香雨閑適風雅
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