酔古堂剣掃 / 集素・北窗の石枕に松風
蕭齋香爐書史,酒器俱捐;北窗石枕松風,茶鐺將沸。
新字:蕭斎香炉書史,酒器倶捐;北窗石枕松風,茶鐺将沸。
書き下し
蕭齋に香爐書史あり、酒器俱に捐つ。 北窗に石枕松風あり、茶鐺將に沸かんとす。
現代語訳
もの寂しい書斎には香炉と書物があり、酒の器はすべて捨ててしまいました。北の窓辺には石の枕と松を渡る風があり、茶釜がいまにも沸こうとしています。
解説
酒を断って香と茶と書に親しむ、簡素な書斎の姿を描いた対句です。蕭齋は飾り気のない静かな書斎を指します。前の句では、香炉と書史を残して酒器を捨てたと言い、にぎやかな宴から身を引いた様子が表れています。後の句の北窗は、陶淵明が北の窓の下に寝そべって涼風を受け、自らを太古の人のようだと言った一節を思わせます。石枕は夏の涼しい枕、茶鐺は茶を煮る小さな釜です。松風は茶の湯の世界で、釜の湯が沸く音の呼び名にもなっています。酒をやめて茶の時間を持つことは、今でいえば夜の過ごし方を整える小さな習慣と言えるでしょう。
この章句が説くこと
清貧節制風雅読書茶
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