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酔古堂剣掃 / 集韻・桐陰の一院を打疊す

夜長無賴,徘徊蕉雨半窗,日永多閑,打疊桐陰一院。

新字:夜長無頼,徘徊蕉雨半窗,日永多閑,打畳桐陰一院。

書き下し

夜長くして無賴なれば、蕉雨の半窗に徘徊し、日永くして閑多ければ、桐陰の一院を打疊す。

現代語訳

夜が長くて手持ち無沙汰なときには、芭蕉の葉を打つ雨音の聞こえる窓辺を行き来し、日が長くて暇が多いときには、桐の木陰の庭をすっかり片づけます。

解説

長い夜と長い昼の、所在なさの過ごし方を描いた対句です。無頼はここでは頼るものがない、手持ち無沙汰でつまらないことを言います。蕉雨は芭蕉の大きな葉を打つ雨で、その音は古来、秋の夜の寂しさを誘うものとされました。打畳は片づける、整えるという口語です。所在ない夜は雨音を聞きながら窓辺を歩き、暇な昼は桐の木陰の庭を掃き整える、というのです。退屈な時間を、無理に何かで埋めるのではなく、静かな営みに変えてしまう知恵が見えます。暇を持て余すとき、すぐに画面に手を伸ばす前に、部屋を片づけたり、雨音に耳を澄ませたりしてみると、心が落ち着いてくるでしょう。
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