酔古堂剣掃 / 集韻・榻は書を翻す聲に宜し
窗宜竹雨聲,亭宜松風聲,幾宜洗硯聲,榻宜翻書聲,月宜琴聲,雪宜茶聲,春宜箏聲,秋宜笛聲,夜宜砧聲。
新字:窗宜竹雨声,亭宜松風声,幾宜洗硯声,榻宜翻書声,月宜琴声,雪宜茶声,春宜箏声,秋宜笛声,夜宜砧声。
書き下し
窗は竹雨の聲に宜しく、亭は松風の聲に宜しく、幾は硯を洗ふ聲に宜しく、榻は書を翻す聲に宜しく、月は琴の聲に宜しく、雪は茶の聲に宜しく、春は箏の聲に宜しく、秋は笛の聲に宜しく、夜は砧の聲に宜し。
現代語訳
窓辺には竹に降る雨の音がふさわしく、東屋には松を渡る風の音がふさわしく、机には硯を洗う音がふさわしく、寝台には書物のページをめくる音がふさわしく、月には琴の音がふさわしく、雪には茶を煮る音がふさわしく、春には箏の音がふさわしく、秋には笛の音がふさわしく、夜には砧を打つ音がふさわしいのです。
解説
場所や季節、時間ごとにふさわしい音を、九つ並べた一則です。前半は窓、亭、机、寝台と、住まいの場所ごとの音です。幾は机の意味で、机には硯を洗う水音が、寝台には横になって本をめくる音が似合うと言います。中ほどは月と雪で、月夜には琴の音、雪の日には茶を煮る湯の音がふさわしいと言います。後半は春、秋、夜と、季節と時間ごとの音です。砧は、布を柔らかくするために木の台の上で槌で打つ道具で、その音は秋の夜の寂しさを表すものとして、多くの詩に詠まれてきました。音によって暮らしを豊かにしようとする、繊細な感覚が表れています。自分の暮らしの中で好きな音を集めてみるのも楽しいでしょう。
この章句が説くこと
風雅音閑適四季住まい
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