酔古堂剣掃 / 集韻・讀書の聲を最と為す
松聲,澗聲,山禽聲,夜蟲聲,鶴聲,琴聲,棋子落聲,雨滴階聲,雪灑窗聲,煎茶聲,皆聲之至清,而讀書聲為最。
新字:松声,澗声,山禽声,夜虫声,鶴声,琴声,棋子落声,雨滴階声,雪灑窗声,煎茶声,皆声之至清,而読書声為最。
書き下し
松聲、澗聲、山禽の聲、夜蟲の聲、鶴の聲、琴の聲、棋子の落つる聲、雨の階に滴る聲、雪の窗に灑ぐ聲、茶を煎ずる聲、皆聲の至清なるものにして、讀書の聲を最と為す。
現代語訳
松風の音、谷川の音、山鳥の声、夜の虫の声、鶴の声、琴の音、碁石を打つ音、雨が階段に滴る音、雪が窓に降りかかる音、茶を煮る音、これらはみな最も清らかな音ですが、書物を読む声が最上です。
解説
清らかな音を十並べ、最後に読書の声を最上とした一則です。自然の音、生き物の声、楽器や碁石の音、雨や雪の音、湯の沸く音と、文人の暮らしを彩る音が次々に挙げられます。どれも静けさの中でこそ際立つ音です。そのうえで、読書の声こそ最も清らかだと結ぶところに、この書の読書への敬意がうかがえます。昔の読書は声に出して読む音読が基本で、書を読む声は家の中に学問の気配を満たすものでした。耳に心地よい音を暮らしの中に意識して集めてみるのもよいでしょう。そして、ときには好きな文章を声に出して読んでみると、黙読とは違う味わいが見つかります。
この章句が説くこと
読書風雅音自然閑適
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