酔古堂剣掃 / 集景・書を讀むは樓に宜し
讀書宜樓,其快有五:無剝啄之驚,一快也;可遠眺,二快也;無濕氣浸床,三快也;木末竹顛,與鳥交語,四快也;雲霞宿高檐,五快也。
新字:読書宜楼,其快有五:無剥啄之驚,一快也;可遠眺,二快也;無湿気浸床,三快也;木末竹顛,与鳥交語,四快也;雲霞宿高檐,五快也。
書き下し
書を讀むは樓に宜し、其の快五有り。 剝啄の驚き無き、一快なり。 遠く眺むべき、二快なり。 濕氣床を浸す無き、三快なり。 木末竹顛、鳥と交も語る、四快なり。 雲霞高檐に宿る、五快なり。
現代語訳
書物を読むには高い建物の上の階がよく、その楽しさは五つあります。戸を叩く音に驚かされることがないのが、一つ目の楽しさです。遠くまで眺められるのが、二つ目の楽しさです。湿気が寝台にしみ込んでこないのが、三つ目の楽しさです。木の梢や竹の先で、鳥とかわるがわる語り合えるのが、四つ目の楽しさです。雲や霞が高い軒先に宿るのが、五つ目の楽しさです。
解説
読書に最適な場所として楼上を挙げ、その利点を五つ数え上げた一則です。剝啄は、とんとんと戸を叩く音で、唐の韓愈の詩にも見える言葉です。人の来訪に煩わされず読書に集中できることを第一に挙げています。遠くを眺められること、湿気がないことは、疲れた目を休め、書物を傷めないという実際的な利点です。四つ目の、木の梢や竹の先の高さで鳥と語り合えるというのは、高い場所ならではの楽しみです。五つ目の、雲や霞が軒に宿るというのは、まるで仙境にいるかのような趣です。実用から風雅へと順に並べているのが巧みです。自分が一番集中できる読書の場所を探してみるのもよいでしょう。
この章句が説くこと
読書風雅閑適学問住まい
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