酔古堂剣掃 / 集韻・伴月香
遇月夜,露坐中庭,心爇香一住,可號伴月香。
新字:遇月夜,露坐中庭,心爇香一住,可号伴月香。
書き下し
月夜に遇へば、中庭に露坐し、心に香一住を爇く、號して伴月香と為す可し。
現代語訳
月夜に出会えば、中庭に屋根もなく座り、心を込めて香を一本焚きます。これを名づけて、月の伴をする香と呼ぶのがよいでしょう。
解説
月夜の香の楽しみ方を述べた一則です。露坐は屋根のない所に座ること、爇は香を焚くことです。原文の一住は、香を数える一炷の誤りかと思われ、一本の香を焚くと読みました。月の光の下で香を焚けば、その煙は月に寄り添う伴侶となる、それで伴月香と名づけようというのです。香はふつう室内で焚くものですが、あえて月の下に持ち出すところに、月を客としてもてなす心が感じられます。何か特別な名前をつけることで、ありふれた行いが一つの儀式になります。自分だけの小さな習慣に名前をつけて大切にすると、日々の暮らしに味わいが生まれるでしょう。
この章句が説くこと
風雅月香閑適習慣
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