酔古堂剣掃 / 集韻・客到りて茶煙竹下に起こる
客到茶煙起竹下,何嫌展破蒼苔;詩成筆影弄花間,且喜歌飛《白雪》。
書き下し
客到りて茶煙竹下に起こる、何ぞ蒼苔を展破するを嫌はん。詩成りて筆影花間に弄す、且く歌の白雪を飛ばすを喜ぶ。
現代語訳
客が訪れて、竹の下から茶を煮る煙が立ちのぼります。青い苔を踏み荒らされることなど、どうして嫌がりましょう。詩ができあがり、筆の影が花の間に揺れます。ひとまず『白雪』(高雅な古曲)の歌が響きわたるのを喜びましょう。
解説
客を迎える喜びと、詩ができた喜びとを対にした一則です。竹の下で茶を煮る煙は、山居での心づくしのもてなしを表します。蒼苔は大切に育てた青苔で、隠者の庭の宝ですが、よい客のためなら踏み荒らされても構わないというのです。白雪は陽春白雪とも言い、戦国時代の楚で歌われた高雅な曲で、それを歌える人はごくわずかだったと伝えられます。詩の完成を祝って、そうした格調高い歌を響かせようというわけです。大切にしているものを、訪れた人のために惜しまず差し出す心は、もてなしの本質でしょう。友を迎えるときの気持ちを思い出させてくれる句です。
この章句が説くこと
交友茶道詩文風雅歓待
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