酔古堂剣掃 / 集韻・野鳥機を忘れて伴と作る
散履閑行,野鳥忘機時作伴;披襟兀坐,白雲無語漫相留。
書き下し
履を散じて閑行すれば、野鳥機を忘れて時に伴と作り、襟を披きて兀坐すれば、白雲語無くして漫に相留まる。
現代語訳
履物をつっかけてのんびり歩けば、野の鳥も警戒心を忘れて時には連れになってくれます。襟をくつろげてじっと座っていれば、白い雲が何も言わずにそぞろに留まってくれます。
解説
心を空にすれば、鳥や雲まで寄り添ってくれると言う対句です。散履は履物をきちんと履かず、気ままに歩くことです。忘機は、たくらみの心を忘れることで、『列子』に、無心の人には鴎が寄ってきたが、捕まえようと思った途端に近寄らなくなったという話があります。兀坐は動かずにじっと座ること、漫は何となく、そぞろに、という意味です。こちらに下心がなければ、野鳥は伴となり、白雲も去らずに留まるのです。人間関係も同じで、何かを得ようと構えていると相手は身構えます。損得を忘れてくつろいでいる人のそばには、自然と人が集まってくるものです。
この章句が説くこと
無心閑適自然交友隠逸
関連する章句
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菜根譚・後集興は時を逐いて来たる。芳草の中、履を撒(す)てて閑行す。野鳥は機を忘れて時に伴を作す。景は心と会す。落花の下、襟を披きて兀坐す。白雲は語る無くして漫ろに相い留む。
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