酔古堂剣掃 / 集韻・十年遊子の衣塵を洗ふ
浣花溪內,洗十年遊子衣塵;修木林中,定四海良朋交籍。
新字:浣花渓内,洗十年遊子衣塵;修木林中,定四海良朋交籍。
書き下し
浣花溪の內に、十年遊子の衣塵を洗ひ、修木林の中に、四海良朋の交籍を定む。
現代語訳
浣花渓(杜甫が草堂を構えた成都の谷川)のほとりで、十年さすらった旅人の衣のちりを洗い落とし、高い木々の林の中で、天下の良き友との交わりの名簿を定めます。
解説
旅の疲れを癒やす場所と、友と交わる場所とを対にした一則です。浣花渓は四川の成都を流れる谷川で、唐の杜甫が戦乱を避けて草堂を構えた地として知られます。長い放浪の果てにたどり着いた安らぎの地の象徴です。十年遊子は、十年も各地をさすらった旅人です。修木林は高く伸びた木々の林で、そこで天下の良友と交わりを結び、名簿に記すというのです。交籍は交友の名簿のことです。身を落ち着ける場所と、心を通わせる友、その二つがあれば人生は満ち足ります。忙しく動き回る日々の中でも、立ち返る場所と、語り合える友を大切にしたいものです。
この章句が説くこと
交友隠逸旅安住閑適
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