酔古堂剣掃 / 集韻・一樓の新雨雲を帶びて來たる
對酒當歌,四座好風隨月到;脫巾露頂,一樓新雨帶雲來。
新字:対酒当歌,四座好風随月到;脱巾露頂,一楼新雨帯雲来。
書き下し
酒に對して當に歌ふべし、四座の好風月に隨ひて到る。巾を脫ぎ頂を露はせば、一樓の新雨雲を帶びて來たる。
現代語訳
酒を前にしたら大いに歌うべきで、座の四方には心地よい風が月とともに吹いてきます。頭巾を脱いで頭をあらわにすると、楼いっぱいに降り出した雨が雲を伴ってやってきます。
解説
月夜と雨の日の、二つの気ままな宴を描いた対句です。対酒当歌は、魏の曹操の「短歌行」の冒頭の句として知られ、酒を前にして歌おう、人生は短いのだから、という意味で使われます。脱巾露頂は、頭巾を脱いで頭頂をさらすことで、礼儀を気にせずくつろぐ姿です。月夜には好い風が座を吹き抜け、雨の日には楼の上に雲と雨がやってくる、どちらの天気も宴の趣向になるというのです。晴れでも雨でも、その日の天気をそのまま楽しむ心の広さがうかがえます。予定どおりにいかない日も、その日なりの楽しみ方を見つけられる人は、どこにいても機嫌よく過ごせるでしょう。
この章句が説くこと
風雅酒閑適自然豪放
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