酔古堂剣掃 / 集韻・梅花に分忖して自ら主張せしむ
雨打梨花深閉門,怎生消遣;分忖梅花自主張,著甚牢騷?
書き下し
雨梨花を打ちて深く門を閉づ、怎生か消遣せん。梅花に分忖して自ら主張せしむ、甚の牢騷をか著けん。
現代語訳
雨が梨の花を打ち、門を深く閉ざしている、この憂さをどう晴らしたらよいでしょう。梅の花に言いつけて自分の思うままに咲かせておけば、どんな愚痴をこぼすことがありましょう。
解説
物思いにふける問いと、それを吹き払う答えとを並べた対句です。雨が梨の花を打つ中で門を閉ざすというのは、古い詞にも見える言い回しで、春の憂いと孤独を表します。怎生は、どうやって、という口語です。後半の分忖は言いつける、任せること、主張はここでは自分の考えで取り仕切ることです。牢騒は不平や愚痴のことです。花の咲き方は花に任せておけばよく、自分がくよくよしても始まらない、という吹っ切れた気分が表れています。自分の力の及ばないことに気をもむより、なりゆきに任せる潔さを持つと、心はずいぶん軽くなるものです。
この章句が説くこと
達観処世憂い自然閑適
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