酔古堂剣掃 / 集景・小苑の梨花雲を夢む
中庭蕙草銷雪,小苑梨花夢雲。
書き下し
中庭の蕙草雪を銷し、小苑の梨花雲を夢む。
現代語訳
中庭の蕙草は雪を溶かし、小さな庭の梨の花は雲を夢見ています。
解説
早春の庭を、香草と梨の花で描いた六言の対句です。蕙草は香りのよい草で、蘭とともに君子の象徴として楚辞以来たびたび詠まれてきました。その芽吹きが、残った雪を溶かしていくかのように描かれています。後の句では、白い梨の花が雲のように咲き、あたかも雲を夢見ているかのようだと言います。梨の花の白さは、雪や雲にたとえられることが多く、ここでは前の句の雪と響き合っています。植物が雪を溶かし、雲を夢見るという擬人的な表現で、冬から春へと移る庭の息づかいが感じられます。庭先の小さな芽や花にも、季節を動かす力が宿っていると思うと、日々の景色が少し違って見えるでしょう。
この章句が説くこと
自然風雅春草花季節
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