酔古堂剣掃 / 集韻・病鶴の清影頗る嘉し
詩瘦到門鄰,病鶴清影頗嘉;書貧經座並,寒蟬雄風頓挫。
新字:詩痩到門鄰,病鶴清影頗嘉;書貧経座並,寒蝉雄風頓挫。
書き下し
詩は瘦せて門に到りて鄰し、病鶴の清影頗る嘉し。書は貧しくして座を經て並び、寒蟬の雄風頓挫す。
現代語訳
痩せた詩が門口まで来て隣り合うさまは、病んだ鶴の清らかな影のようで、なかなか良いものです。乏しい書物が座に並んでいるさまは、秋の蝉の声のように、雄々しい風が抑揚をつけて響くようです。
解説
貧しい文人の詩と書物を、病鶴と寒蝉にたとえた対句です。字句に難しいところがあり、ここでは痩せた詩、乏しい書物の姿を肯定的に描いたものと読んでおきます。病鶴は痩せ細った鶴で、世俗を離れた高士の姿によく重ねられます。寒蝉は秋に鳴く蝉で、弱々しいながらも澄んだ声を響かせます。頓挫は、声や文章の調子に抑揚があることを言います。豊かでなくとも、清らかで芯のある詩や書にこそ味わいがある、というのが集韻の美意識です。立派な道具や蔵書がなくても、自分の手元にあるもので誠実に学び、表現することには独自の品格が宿ります。
この章句が説くこと
清貧風雅読書詩文品格
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