酔古堂剣掃 / 集韻・雨過ぎて蟬聲來たる
雨過蟬聲來,花氣令人醉。
新字:雨過蝉声来,花気令人酔。
書き下し
雨過ぎて蟬聲來たり、花氣人をして醉はしむ。
現代語訳
雨が通り過ぎると蝉の声が戻ってきて、花の香りが人を酔わせます。
解説
雨上がりの一瞬を切り取った五言の対句です。夕立がやむと、静まっていた蝉が一斉に鳴き始め、雨に濡れた花の香りがいっそう濃く立ちのぼります。耳と鼻の二つの感覚で、雨のあとのみずみずしさを伝えています。酒ではなく花の気に酔うというところに、この集の風雅な趣味がうかがえます。十字の中に季節の移ろいが凝縮されているのは、漢詩の妙味です。雨が上がった直後の空気の変化は、急いで歩いていると見過ごしてしまいます。たまには足を止めて、音と香りの戻ってくる瞬間を味わいたいものです。
この章句が説くこと
風雅自然季節感性閑適
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