酔古堂剣掃 / 集韻・几簟皆綠なり
萬綠陰中,小亭避暑,八闥洞開,几簟皆綠。
新字:万緑陰中,小亭避暑,八闥洞開,几簟皆緑。
書き下し
萬綠の陰中、小亭に暑を避く。八闥洞開すれば、几簟皆綠なり。
現代語訳
一面の緑の木陰の中にある小さなあずまやで暑さを避けます。八方の扉をすっかり開け放つと、机も敷物もみな緑に染まります。
解説
夏の避暑の涼しさを色で描いた一則です。万緑は見渡す限りの緑、闥は門や扉、八闥は四方八方の扉を言います。洞開は大きく開け放つことです。几は机、簟は竹で編んだ夏の敷物です。扉をすべて開くと、周りの木々の緑が差し込み、机や敷物まで緑に映える、という描写には、暑さの中の清涼感が満ちています。冷房のない時代の涼の取り方は、風を通し、緑を取り込むことでした。今も窓を開けて風と緑を招き入れるだけで、体感はずいぶん変わります。自然の力を借りた涼しさを、暮らしに取り入れてみたいものです。
この章句が説くこと
閑適自然避暑風雅夏
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