酔古堂剣掃 / 集綺・松院の生涼
視蓮潭之變彩,見松院之生涼;引驚蟬於寶瑟,宿蘭燕於瑤筐。
新字:視蓮潭之変彩,見松院之生涼;引驚蝉於宝瑟,宿蘭燕於瑤筐。
書き下し
蓮潭の變彩を視、松院の生涼を見る。 驚蟬を寶瑟に引き、蘭燕を瑤筐に宿す。
現代語訳
蓮の淵の色が移り変わるのを眺め、松の庭に涼しさが生まれるのを見ます。驚いた蝉の声を宝の瑟の調べに引き込み、蘭の間を飛ぶ燕を玉のかごに宿らせます。
解説
夏の庭の涼やかな風情を、見るものと聞くものとで描いた一則です。前の二句は、蓮の咲く淵の水面が光の加減で色を変える様子と、松の木陰の庭に涼しさが生まれる様子で、目で見る夏の涼しさです。後の二句は、驚いて鳴き出した蝉の声を、宝で飾った瑟、すなわち大型の琴の調べの中に引き入れ、蘭の間を舞う燕を美しいかごに宿らせるという、自然を身近に取り込む風雅な遊びを描いています。蝉の声に合わせて琴を奏でるという発想には、自然の音と人の音楽とを溶け合わせる楽しみがあります。暑い季節にも、自然の中に涼を見つけ、それを遊びに変えてしまう心の余裕を教えてくれる句です。
この章句が説くこと
夏景蓮松風雅音楽
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