酔古堂剣掃 / 集韻・花は三寸の管に歸す
有花皆刺眼,無月便攢眉,當場得無妒我;花歸三寸管,月代五更燈,此事何可語人?
新字:有花皆刺眼,無月便攢眉,当場得無妬我;花帰三寸管,月代五更灯,此事何可語人?
書き下し
花有れば皆眼を刺し、月無ければ便ち眉を攢む、場に當りて我を妒むこと無きを得んや。 花は三寸の管に歸し、月は五更の燈に代る、此の事何ぞ人に語るべけんや。
現代語訳
花が咲けばどれも目にまぶしく、月が出なければすぐ眉をひそめてしまう。その場にいたなら、誰もが私をうらやまずにいられるでしょうか。花は三寸の筆の中に収まり、月は夜明け前の灯火に取って代わられる。このことを、どうして人に語れるでしょうか。
解説
花と月を愛する文人の、人には言えない楽しみを描いた一則です。前半では、花が咲けば目を奪われ、月が出なければ眉をしかめるほど、花と月に夢中になっている自分を描き、その場にいれば誰もがうらやむだろうと言います。攢眉は、眉を寄せて顔をしかめることです。後半の三寸の管は筆のことで、花は筆の中に収まる、つまり花の美しさを詩文に書き留めるということでしょう。月は五更の燈に代るは、月が沈んだ夜明け前も、灯火をともして書き続けることを言うとみられます。句の意味には取りにくいところもありますが、美しいものを言葉に収める喜びは、人に説明しても伝わらないという思いが読み取れます。
この章句が説くこと
風雅詩作月草花楽しみ
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