酔古堂剣掃 / 集韻・時に花媒と號す
陳慥家蓄數姬,每日晚藏花一枝,使諸姬射覆,中者留宿,時號「花媒」。
新字:陳慥家蓄数姫,毎日晩蔵花一枝,使諸姫射覆,中者留宿,時号「花媒」。
書き下し
陳慥家に數姬を蓄ふ、每日晚に花一枝を藏し、諸姬をして射覆せしめ、中る者は留めて宿せしむ、時に花媒と號す。
現代語訳
陳慥は家に何人かの侍女を抱えていました。毎晩、花を一枝隠しておき、侍女たちにそれを当てさせて、当てた者をその夜そばに留めました。当時の人は、これを花の仲人と呼びました。
解説
宋の陳慥の風流な逸話を伝えた一則です。陳慥は字を季常といい、宋の蘇軾の親しい友人でした。妻が嫉妬深かったことで知られ、蘇軾が詩の中で、河東の獅子吼を聞けば杖を落として茫然とする、とからかったことから、恐妻の故事の主人公にもなっています。射覆は、覆いの下に隠した物を当てる遊びで、漢代から宮中でも行われていました。花一枝を隠して当てさせ、当たった者を夜の相手にしたという、当時の士大夫の遊びが描かれ、人々はこれを花媒、花の仲人と呼んだと言います。現代の感覚では受け入れにくい話ですが、明末の文人が、こうした遊びも風雅の一つとして収めていたことがわかる一則です。
この章句が説くこと
風雅逸話遊戯宋代人情
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