酔古堂剣掃 / 集景・蘭は風に因りて香を送る
竹依窗而弄影,蘭因風而送香。風暫下而將飄,煙才高而不瞑。
新字:竹依窗而弄影,蘭因風而送香。風暫下而将飄,煙才高而不瞑。
書き下し
竹は窗に依りて影を弄し、蘭は風に因りて香を送る。 風暫く下りて將に飄らんとし、煙才かに高くして瞑からず。
現代語訳
竹は窓に寄り添って影をもてあそび、蘭は風に乗って香りを送ってきます。風はしばし吹き下りて、また舞い上がろうとし、もやは少し高く上っただけで、まだ暗くはなっていません。
解説
窓辺の竹と蘭、そして風ともやの動きを、繊細にとらえた一則です。前の対句は、竹が窓に影を落として揺れ動かし、蘭が風に乗せて香りを届けるという、目と鼻で感じる窓辺の情景です。弄は、もてあそぶ、戯れるという意味で、竹の影がまるで遊んでいるかのように描かれています。後の対句は、風が一瞬吹き下ろしてはまた舞い上がろうとし、もやがわずかに高く上ってもまだ夕闇にはならないという、刻々と移る時間の微妙な変化を描いています。瞑は暗くなることです。竹や蘭という君子の象徴を窓辺に配し、風ともやの動きの中に、静かな時間の流れを感じ取る繊細さが表れています。
この章句が説くこと
自然風雅閑適竹蘭
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