酔古堂剣掃 / 集景・醉墨淋漓として山靈呵護す
小窗下修篁蕭瑟,野鳥悲啼;峭壁間醉墨淋漓,山靈呵護。
新字:小窗下修篁蕭瑟,野鳥悲啼;峭壁間酔墨淋漓,山霊呵護。
書き下し
小窗の下修篁蕭瑟として、野鳥悲しく啼く。 峭壁の間醉墨淋漓として、山靈呵護す。
現代語訳
小さな窓の下では、長い竹がさわさわと寂しく鳴り、野の鳥が悲しげに鳴いています。切り立った岩壁の間には、酔って書いた墨の跡が生々しく残っていて、山の神がそれを守っています。
解説
竹の音と鳥の声に満ちた窓辺と、岩壁に残る酔墨とを対にした一則です。修篁は長く伸びた竹、蕭瑟は風に吹かれてさわさわと寂しく鳴る音です。後の句の醉墨淋漓は、酒に酔って勢いよく書いた墨の跡が、したたるほど生々しく残っているさまです。昔の文人は、名勝の岩壁に詩や文字を書きつけることがよくありました。山靈は山の神、呵護は叱りつけて守ることで、山の神がその墨跡を風雨から守っていると言うのです。すぐれた作品は、人の手を離れても自然そのものが守り伝えてくれるという感覚が表れています。心を込めて作ったものは、思わぬ形で長く残っていくものなのかもしれません。
この章句が説くこと
自然風雅書道竹隠逸
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