酔古堂剣掃 / 集景・遠山は秋に宜し
遠山宜秋,近山宜春,高山宜雪,平山宜月。
書き下し
遠山は秋に宜しく、近山は春に宜しく、高山は雪に宜しく、平山は月に宜し。
現代語訳
遠くの山は秋がよく、近くの山は春がよく、高い山は雪がよく、なだらかな山は月がよいのです。
解説
山の姿と、それが最も美しく見える季節や景物との組み合わせを四つ挙げた一則です。遠山は秋の澄んだ空気の中でこそ、くっきりと見渡せます。近山は春の新緑や花が、近くで見てこそ美しいのです。高山には雪が似合い、頂の白さが山の高さを際立たせます。平山、つまりなだらかな山には月がふさわしく、稜線の上に昇る月がよく映えます。遠近高平という山の形と、秋春雪月という景物とを対応させた、簡潔で覚えやすい構成です。何かを最も美しく見せるには、それにふさわしい時と場所があるということでしょう。人もまた、その人が最も輝ける場面を見つけてあげることが大切なのかもしれません。
この章句が説くこと
自然山水四季風雅適材
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