酔古堂剣掃 / 集景・一行の征雁青天を界破す
幾點飛鴉,歸來綠樹;一行征雁,界破青天。
新字:幾点飛鴉,帰来緑樹;一行征雁,界破青天。
書き下し
幾點の飛鴉、綠樹に歸り來る。 一行の征雁、青天を界破す。
現代語訳
いくつかの点のような飛ぶ烏が、緑の木へと帰ってきます。一列に並んだ渡りの雁が、青い空を切り分けていきます。
解説
夕暮れの空の鳥の姿を、絵画的な構図で描いた対句です。前の句は、烏が点々と緑の木々のねぐらへ帰っていく情景で、幾點という言葉が遠くの烏を小さな点として捉えています。後の句の征雁は遠くへ渡っていく雁で、一列に並んで飛ぶ姿を一行と言っています。界破は、境界線を引いて分け破ることで、雁の列が青い空を一本の線で切り分けていくように見えるという表現です。点と線、帰る鳥と旅立つ鳥、緑と青という対比が、一幅の絵を見るように構成されています。夕方の空を見上げて、鳥たちが描く点や線に目を留めてみると、日常の中にも見事な構図が隠れていることに気づくでしょう。
この章句が説くこと
自然風雅鳥秋構図
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