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酔古堂剣掃 / 集倩・泉は石を縈りて文を生ず

風下松而合曲,泉縈石而生文。

書き下し

風は松に下りて曲に合し、泉は石を縈りて文を生ず。

現代語訳

風は松の木に吹き下りて曲を奏で、泉は石をめぐって流れて美しい模様を生み出します。

解説

自然そのものが音楽と文様を生み出すさまを描いた短い対句です。松に吹く風の音は松籟とも松濤とも呼ばれ、古来、琴の音にたとえられてきました。ここでは風が松の枝を抜けていく響きを、合曲、つまり曲にかなっていると表現しています。後半の縈は、ぐるりと巡りまとわりつくことです。泉の水が石の周りを流れると、水面に波紋やさざ波の模様が生まれます。文は模様、あやのことで、同時に文章や文化の文にも通じます。人が作った音楽や文章の源は、こうした自然のはたらきにあるという考え方がうかがえます。すぐれた表現は、無理に作り出すものではなく、ものの自然な流れに沿ったときに生まれてくるものなのかもしれません。

この章句が説くこと

自然松風音楽文章風景

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