酔古堂剣掃 / 集景・寒山は寺裏に深し
秋竹沙中淡,寒山寺裏深。
書き下し
秋竹は沙中に淡く、寒山は寺裏に深し。
現代語訳
秋の竹は砂地の中で淡い色を見せ、寒々とした山は寺の奥に深く静まっています。
解説
秋から冬へ向かう寺の周辺を、五言の対句で淡く描いた一則です。前の句の秋竹は、夏の濃い緑を失って色の淡くなった竹で、それが砂地に生えている様子を描いています。後の句の寒山は、寒々とした冬枯れの山で、寺の奥に深く連なっています。寒山寺という名の蘇州の古寺も思い起こさせますが、ここでは秋竹と寒山を対にして、季節の冷たい色合いを描いたものと読めます。淡と深という形容詞の対比が、色の薄さと奥行きの深さを同時に伝えています。華やかな色がなくなる季節にも、淡い色や深い静けさという別の美しさがあることに気づかせてくれる句です。
この章句が説くこと
自然風雅秋寺院静寂