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酔古堂剣掃 / 集景・心を松竹に寄せ樂しみを魚鳥に取る

蔭映巖流之際,偃息琴書之側,寄心松竹,取樂魚鳥,則淡泊之願,於是畢矣。

新字:蔭映巖流之際,偃息琴書之側,寄心松竹,取楽魚鳥,則淡泊之願,於是畢矣。

書き下し

巖流の際に蔭映し、琴書の側に偃息し、心を松竹に寄せ、樂しみを魚鳥に取れば、則ち淡泊の願ひ、是に於て畢る。

現代語訳

岩の間を流れる水のほとりに木陰を求め、琴と書物のかたわらで横になって休み、松や竹に心を寄せ、魚や鳥から楽しみを得られれば、あっさりとした暮らしを願う望みは、これで満たされます。

解説

淡泊な暮らしの願いがかなう条件を、四つの句で数え上げた一則です。巖流は岩の間を流れる水、蔭映は木陰が水に映るような涼しい場所を言います。偃息は横になって休むことで、琴書の側という言葉から、読書や演奏に疲れたらそのまま休むという気ままな時間が浮かびます。心を寄せる相手は松竹、楽しみを得る相手は魚鳥と、いずれも人ではなく自然の生き物です。淡泊は、欲が少なく、あっさりとしていることです。願いが畢ると言い切るところに、これ以上何も求めないという満足感が表れています。望みを大きく広げるより、満たされる条件を小さく具体的に決めておくほうが、心は穏やかでいられるのでしょう。

この章句が説くこと

知足自然閑適淡泊読書

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