呻吟語 / 内篇・修身・乾燥と脂韋
恬淡老成人又不能俯仰,一世便覺乾燥;圓和甘潤人又不能把持,一身便覺脂韋。
新字:恬淡老成人又不能俯仰,一世便覚乾燥;円和甘潤人又不能把持,一身便覚脂韋。
書き下し
恬淡老成の人は又た俯仰する能はず、一世便ち乾燥を覺ゆ。圓和甘潤の人は又た把持する能はず、一身便ち脂韋を覺ゆ。
現代語訳
淡々として落ち着いた人は身を屈め伸ばすことができず、一生が乾いたものに感じられます。円満で潤いのある人は守り通すことができず、その身がべたついたものに感じられます。
解説
落ち着きと円満さ、どちらも長所とされるものの弱点を並べます。落ち着いた人は融通がきかず乾き、円満な人は芯を持てずべたつく。乾燥と脂韋という二つの触感で言い表したのが巧みで、頭ではなく肌で分かる言い方になっています。どちらが良いとは言いません。自分がどちらの側に傾いているかを知れという段です。長所の裏にある触感を、自分で確かめておけということです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
淡泊円満融通芯偏り
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