呻吟語 / 内篇・談道・羶に依り腥に附く底の人
冷淡中有無限受用處。都戀戀炎熱,抵死不悟,既悟不知回頭,既回頭卻又羨慕,此是一種依羶附腥底人,切莫與談真滋味。
新字:冷淡中有無限受用処。都恋恋炎熱,抵死不悟,既悟不知回頭,既回頭却又羨慕,此是一種依羶附腥底人,切莫与談真滋味。
書き下し
冷淡の中に無限の受用の處有り。都て炎熱に戀戀とし、死に抵るまで悟らず。既に悟るも回頭するを知らず、既に回頭するも卻って又た羨慕す。此れは是れ一種の羶に依り腥に附く底の人なり。切に與に真の滋味を談ずる莫かれ。
現代語訳
あっさりした暮らしの中に、限りない味わいどころがあります。ところが人はみな熱い場所に恋々として、死ぬまで気づきません。気づいても引き返すことを知らず、引き返してもまた羨ましがります。これは生臭いものに寄りつく類の人です。そういう人と、本当の味わいについて語ってはいけません。
解説
栄達の熱から離れられない人を、生臭いものに寄りつく者と呼びます。三段に分けた描写が的確で、気づかない、気づいても戻れない、戻ってもまた羨む。最後の段が一番厄介で、身を引いた人ほどここでつまずきます。そして呂坤は、そういう人には本当の味わいを語るなと突き放します。説得ではなく沈黙を選ぶという、珍しく冷たい結びです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
淡泊栄達未練味わい距離
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