酔古堂剣掃 / 集景・博山爐に沈水香を爇く
凈掃一室,用博山爐爇沈水香,香煙縷縷,直透心竅,最令人精神凝聚。
新字:浄掃一室,用博山炉爇沈水香,香煙縷縷,直透心竅,最令人精神凝聚。
書き下し
一室を凈掃し、博山爐を用ひて沈水香を爇けば、香煙縷縷として、直ちに心竅に透り、最も人をして精神凝聚せしむ。
現代語訳
部屋を一つきれいに掃き清め、博山炉で沈香を焚くと、香の煙がすじを引いて立ちのぼり、まっすぐ心の奥まで通って、何よりも人の精神を一つに集中させてくれます。
解説
香を焚いて心を集中させる、文人の習慣を描いた一則です。博山爐は、蓋が海上の仙山である博山をかたどった香炉で、漢代から用いられました。沈水香は沈香のことで、水に沈むほど重い香木から名づけられた、最上の香とされるものです。香煙縷縷は、細い煙がすじになって途切れず立ちのぼるさまです。心竅は心の穴、つまり心の働きの通り道を指す言葉です。まず部屋を掃き清めるところから始まっているのが大切で、場を整えることが心を整えることにつながっています。仕事や勉強の前に机の上を片づけ、好きな香りを一つ添えるだけでも、集中の入口を作ることができるでしょう。
この章句が説くこと
風雅修身閑適香集中
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『酔古堂剣掃』集倩・細かに沈水を燒く佛經に云ふ、「細かに沈水を燒き、火を見しむること毋かれ」と。 此れ香を燒くの三昧の語なり。
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