酔古堂剣掃 / 集景・布帆晴れて六橋の煙に掛く
草色伴河橋,錦纜曉牽三竺雨;花陰連野寺,布帆晴掛六橋煙。
新字:草色伴河橋,錦纜暁牽三竺雨;花陰連野寺,布帆晴掛六橋煙。
書き下し
草色河橋に伴ひ、錦纜曉に三竺の雨を牽く。 花陰野寺に連なり、布帆晴れて六橋の煙に掛く。
現代語訳
草の色が川の橋に寄り添い、錦の綱で引かれる舟が、明け方の三竺の雨の中を進みます。花の陰が野の寺まで連なり、晴れた日には布の帆が、六橋にたなびく霞の中に掛かります。
解説
杭州の西湖一帯の景色を、雨と晴れの二つの表情で描いた対句です。三竺は杭州の天竺山にある上天竺、中天竺、下天竺の三つの寺の総称です。六橋は、宋の蘇軾が西湖に築いた堤、蘇堤に架かる六つの橋を指します。錦纜は錦で飾った舟の綱で、遊覧の舟の華やかさを表しています。前の句は明け方の雨に煙る寺々、後の句は晴れた日に霞の中を行く帆と、同じ土地の異なる時間の美しさを並べています。名所は一度訪れて終わりではなく、天気や時間を変えて何度も訪ねることで、その本当の味わいがわかってくるものなのでしょう。
この章句が説くこと
自然風雅西湖名勝旅
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