酔古堂剣掃 / 集景・落葉但だ門扇を敲く
花關曲折,雲來不認灣頭;草徑幽深,落葉但敲門扇。
新字:花関曲折,雲来不認湾頭;草径幽深,落葉但敲門扇。
書き下し
花關曲折し、雲來りて灣頭を認めず。 草徑幽深にして、落葉但だ門扇を敲く。
現代語訳
花に囲まれた門へ続く道は曲がりくねり、雲がやって来ても、どこで曲がればよいのか見分けられません。草深い小道は奥深く静かで、ただ落ち葉だけが門の扉を叩きます。
解説
訪れる人のない隠れ家の静けさを、雲と落ち葉に託して描いた対句です。花關は花の咲く門、灣頭は道の曲がり角のことです。前の句は、道があまりに曲がりくねっているので、雲さえも迷ってしまうという、ユーモアを含んだ誇張です。後の句は、草深い小道を訪ねて来る者はなく、門を叩くのは風に舞う落ち葉だけだと言います。人の訪問を待つのではなく、雲や落ち葉を客として迎えるところに、寂しさを楽しみに変える心の余裕が感じられます。玄関の呼び鈴が鳴らない一日も、窓を叩く風や落ち葉の音に耳を澄ませば、それなりの訪問者がいることに気づくでしょう。
この章句が説くこと
隠逸自然静寂閑適秋
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