酔古堂剣掃 / 集素・長林に枕して史を披く
枕長林而披史,松子為餐;入豐草以投閒,蒲根可服。
新字:枕長林而披史,松子為餐;入豊草以投閒,蒲根可服。
書き下し
長林に枕して史を披き、松子を餐と為す。 豐草に入りて以て閒を投じ、蒲根服すべし。
現代語訳
深い林を枕にして歴史書を開き、松の実を食事とします。茂った草むらに分け入って暇を過ごし、蒲の根を食べればよいのです。
解説
山林での読書と、質素な食の暮らしを対句で描いた一則です。長林は長く続く深い林、披史は歴史書を開いて読むことです。松子は松の実、蒲根は蒲の根で、いずれも仙人や隠者が口にする粗末な食べ物として語られてきました。投閒は、閑な時間に身をゆだねることです。ぜいたくな食事や快適な部屋がなくても、自然の中で書を読み、簡素なもので腹を満たせば十分だという清貧の思想が表れています。同じ句は集景にも短く引かれています。休日に公園の木陰で本を一冊読むだけでも、この境地の一端に触れられるでしょう。
この章句が説くこと
清貧読書隠逸自然簡素
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